−水道水中の鉛−
家庭でできる水道水中の鉛の危険性を小さくする方法。

鉛など今の水道水の中にあるはずがないと思っていませんか? あるいは水道水の品質は厚生省の水質基準に適合しているので安全だと思っていませんか? 

アメリカ環境保護局(EPA)では鉛の危険性は明確に指摘しており、家庭でできる鉛の危険性を避ける方法まで市民に薦めています。

EPAが指摘しているように、鉛の問題は、浄水場を出た後に発生する可能性が高くなります。アメリカのEPAが推奨するような家庭での自衛が必要です。


水道水中の鉛

EPA,Office of Water (アメリカ環境保護局、地下水と飲用水局)のレポート”Lead In Your Drinking Water EPA/810-F-93-001 June 1993”の要約。

家庭でできる水道水中の鉛の危険性を小さくするための方法。

  • 飲用の前に水道水をフラッシュする。
    給水の水(水道蛇口からの水)を6時間以上使用しないときは、水ができるかぎり冷たくなるまで流してフラッシングして下さい。(シャワーや水洗で多量の水を最近使った場合は2−30秒ですむ場合もありますが、それ以外は2分以上かかる場合もあります。) 給水配管での水の滞留時間が長いほど、溶出鉛量は多くなります。

 

  • 冷水のみを使う
    冷水の蛇口からの水だけを、飲用、料理、そして特に幼児用の流動食に使う。温水は高濃度の鉛を含有している可能性があります。推奨するこれら2つの方法はあなたの家族の健康にとって非常に重要です。大半の鉛が地域の浄水場からでなく、家の給水管から発生するので、これらの手段は鉛のレベルを下げるのにたぶん効果的です。

 

  • 水を検査する
    飲用、料理に使う水に含まれる鉛を減らすために上記の2つの予防措置を取ったら、水の検査をしてください。家庭で使用する水の中の鉛の量を知る唯一の確実な方法は水を信頼のおけるラボで試験してもらうことです。あなたの地域の水道局が試験に関する情報あるいは援助を提供できるかもしれません。フラッシングは鉛溶接のセントラル配管のある高層ビルでは有効でないことがあるので、水質試験はアパートの住民には特に重要です。

鉛の健康への脅威

体内への多量の鉛の摂取は脳、腎臓、神経系統、そして赤血球に深刻な損傷を与えます。

短期間の摂取でも下記の場合、危険度は最大になります。

  • 小さい子供
  • 妊娠中

水道水中の鉛の原因

水道水中の鉛の量は、下記の場合最大になる可能性があります。

  • 家庭の真鍮の水道蛇口や接続金具類などがいくらかの鉛を含む、あるいは
  • 家の配水管が鉛である、あるいは
  • 家にハンダ付けの銅の給水管があり、かつ
    • 家が建築5年以内である、あるいは
    • 軟水である、あるいは
    • 水道水が給水管に数時間滞留している

どこでさらに詳しい入情報を入手できますか?

地域の水質については、まず国あるいは州の健康局か環境局にコンタクトしてください。

一般的なさらに詳しい情報は、下記の無料電話サービスで入手できます。

  • EPA Safe Drinking Water Hotline 1-800-426-4791
  • National Lead Information Center 1-800-LEAD-FYI

Q:なぜ鉛は問題なのですか?

鉛はこれまで多くの消費製品に使われてきましたが、消化あるいは呼吸器から吸収されると人体の健康を害する有毒物質ということが現在は分かっています。主な鉛の原因は、大気中、土壌、埃(室内と室外)、食べ物(大気中あるいは食べ物の容器による汚染)、水(給水管の腐食から)などです。平均すると、飲用水からの摂取は小さい子供の場合、総摂取量の10−20%です。

この数年間において、連邦政府はガソリン中の鉛の量を制限して鉛による人体への露出を大幅に減らしてきました。害の程度は晒されている鉛のレベル(すべての原因からの)によります。鉛の影響は、露出が少ない場合はわずかな生化学の変化だけですが、著しくレベルが高い場合は神経系統や中毒などの影響があったり、あるいは死に至ることもあります。

Q:鉛の影響は誰でも同じですか?

子供、幼児、胎児は特に鉛の害による影響を受けやすく、大人では影響のほとんどない量でも小さな体には大きな影響がありえます。さらに成長期の子供は食事や水からとる鉛を早く吸収します。子供の精神と肉体の成長は過度の鉛に晒されると非可逆的に妨げられることがあります。幼児が、流動食などの水主体の食事の場合は、飲用水中の鉛が総鉛摂取量の多くの部分を占めます(40−60%)。

Q:鉛はどうやって私の水道水に入リ得るのですか?

鉛はたいていの場合、水が地域の浄水場あるいは井戸を出てから入ります。それは、家庭の水道水の鉛の原因はほとんどのケースで家自体の給水管あるいは溶接部であるからです。

大半の原因は腐食、水と鉛の給水管や溶接部との反応です。溶解酸素、低いPh(酸性の水)や水中の低いミネラル量が腐食の原因です。すべての水が、しかしながら、高度の鉛の量を含んでいる可能性もあります。

腐食を加速させる一つの要因は、電気装置のアースを水の給水管でとる習慣です(例、電話)。アースから流れるどんな電流も給水管の鉛の腐食を加速させます。(しかしながら、専門の電気屋によりしかるべき代替のアースをとらない限り、給水管へのアースを取り外すべきではありません。)

Q:家の古さは関係ありますか?

水道水の鉛汚染は、非常に古い、あるいは新しい家の場合、もっとも頻繁に問題となります。1900年の初期は屋内の給水管に鉛の材料を使うことは国の一部の地域でよく行なわれていました。また、鉛の給水管は住居と公衆の水供給施設を結ぶ給水管によく使用されてきました。(この慣習は一部の式ではごく最近に廃止されています。) 

1930年以前に設置された給水管は大半が鉛を含んでいます。大半の住居用の給水管は銅給水管に替えられました。しかしながら、銅給水管の鉛の溶接はよく使われている一般的な方法です。専門化は現在の米国の家庭での主な鉛汚染は、この鉛の溶接が原因だと見ています。新しい真鍮の水道蛇口なども、鉛フリーであっても鉛を含んでいる可能性があります。

科学的なデータによると、家が新しいほど鉛汚染のリスクは大きくなります。鉛のレベルは建物の年齢とともに下がります。これは時間が経つごとに、ミネラルの堆積物が給水管の内壁を被覆するからです(水が腐食性でない場合)。この被覆膜は水と溶接を絶縁します。しかし、最初の5年間(被覆が形成される前)は水は鉛と直接接触します。5年以内の建物では水鉛の汚染レベルは高くなります。

Q:政府は家庭の水道水の鉛問題に関して、どう対処していますか?

鉛の露出を下げるために、政府は2つの主なアクションを取っています。

安全な飲用水条例の当局のもとに、EPAは飲用水の鉛のアクションレベルの量を15ppbに設定しました。公益事業は、顧客の水道蛇口から出る水が、最低90%のサンプルでこのレベルを超さないことを確保する義務があります。もし蛇口の水がこのレベルを超す場合は公益事業は問題解決のためにしかるべき手を打たなければいけません。公益事業はずべての基準の違反を市民に知らしめる必要があります。

1986年に、レーガン大統領は飲用水条例の改正にサインしました。この改正は鉛フリーの配管、ハンダ、フラックスを公共の給水システム、あるいは公共給水システムと接続する住居、非住居の施設に使用を義務付けるものです。このProvisionsでは鉛フリーは0.2%以下の鉛の量がハンダやフラックスが鉛フリーとみなされます。(以前はハンダは通常50%の鉛を含んでいました。) 配管やfittingsの場合は、8%以下で鉛フリーとみなされます。

これらの義務は1986年に有効になりました。この法律では1988年の6月までに州政府が新しい基準の実施と施行を求めています。しかしながら、州は飲用水のシステムにすべての鉛の材料の使用を禁じていますが、既存の給水管の鉛の汚染は除外しています。さらに、法律の施行にあたり、いくつかの州ではあたらしい給水管の設置でも違法の鉛のハンダの使用が発見されています。責任ある配管会社は常に法律を遵守していますが、これはいくらかの配管会社は施行の人員不足によりハンダ鉛を使用した給水設置あるいは修理を逃れているかも可能性を暗示しています。

Q:どの程度の鉛の量が多すぎるのですか?

連邦政府の初期の基準は水中の鉛の量を50ppb以内に抑えるものでした。新しい健康と露出データに照らし合わせて、EPAはアクションレベルを15ppbに設定しました。水質試験で家庭の水の鉛の量が15ppbを超える場合、特に家庭に小さな子供がいるケースでは、蛇口の水道水の鉛量を可能な限り下げることが勧められます。(EPAでは4000万以上の居住者が15ppbを超す鉛を含む水を使用している可能性がある推測しています。) 

注:日本では1993年12月1日から施行された「水道水の新水質基準」で鉛の基準値が100ppbから50ppbに下げられました。

 

長くなりすぎるので、以下のQ&Aは割愛しました。

Q: どうしたら我が家の水が過度の鉛を含んでいることが分かるのですか?

Q: 我が家の水を試験してもらうにはどうしたらいいですか?

Q: 試験の手順は?

Q: 飲用水以外の鉛の原因は?

Q: 有効な機器はたくさんありますか?

Q: 私の鉛への露出を低減するにはどうしたらいいですか?


EPA,Office of Water (アメリカ環境保護局、地下水と飲用水局)のレポート”Lead In Your Drinking Water EPA/810-F-93-001 June 1993”の要約。 http://www.epa.gov/OGWDW/Pubs/lead1.html

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